技報第14号
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4.施工概要 4.1 主桁補強工 ゲルバー連続化部の外ケーブル配置および炭素繊維シート補強の一例を図-2に示す.本橋では外ケーブルは全て箱桁内に配置した.使用する外ケーブルはセットロスのないナット定着タイプとし,170tケーブルを1室あたり3本の配置とした(写真-1). また,箱桁内の外ケーブル設置のために最大4,350mmの既設横桁を貫通削孔する必要があった.このため施工は,既設横桁内の鉄筋,PC鋼材を傷つけることなく削孔することが可能なウォータージェット工法を採用した.貫通削孔後,干渉する鉄筋本数を確認して事前に検討した切断可能本数以下の最小限の鉄筋を切断した.その後,定着部となる中間横桁に定着突起および横桁の補強のための背面突起を設置した後,外ケーブルを配線,緊張した. 4.2 新設下部工・横梁設置工 9径間連続化端部のゲルバー部は,既設のゲルバー支承を切断し構造的に分離した.分離したゲルバーヒンジの吊桁側には新たに支点が必要となることから,下部工を新設し既存の構造物と同様に新設横梁を介して上部工を支持した. 新設橋脚はRC単柱橋脚で,基礎は場所打ち杭である.場所打ち杭は,既設上部工があり空頭が5m程度と制限されることからリバース工法の1つであるTBH工法を採用した. また,新設横梁は既設上部工ウェブを貫通する内ケーブルの他に,横梁下面に配置する外ケーブルを併用したPC構造とした.新設横梁は,街路を供用しながらの施工であり,桁下の建築限界に余裕がなく,施工条件が厳しいため,施工方法や順序に配慮する必要があった.写真-2に新設下部工・横梁の完成写真を示す. 4.3 支承取替工 既設支承は,経年劣化による腐食が進行しており,すべての既設鋼製支承を連続化後の構造系で耐震性能を満足するタイプBゴム支承へ取り替えた. 新設支承アンカーバー定着には,既設横梁に多段配置されている太径鉄筋への干渉を避けるため,既設横梁の側面に定着鉄筋用のアンカー削孔して既設横梁を増厚し,その増厚部にアンカーバーを定着する増厚方式を採用した(図-3). 4.おわりに 平成28年3月をもって,5年10か月に及んだ工事は無事しゅん功した.本工事は,維持管理が困難であったゲルバー構造をなくすため,ゲルバー部を連続化すると同時に下部工を新設し,これを支点としてゲルバー反力を受け替えるという手法を実施した.本工事の施工法が今後のPC橋の補修・補強工事の一助となれば幸いである. Key Words:ゲルバー部の連続化,外ケーブル,新設下部工,新設横梁,支承取替 側面図平面図(固定側)定着突起□330mm増厚部定着突起定着突起□330mm削孔φ150C3C2C1C1C2C3C1C3C2C2C2削孔φ150(無収縮モルタル注入)PC鋼より線SWPR7ALF170TS増厚部定着突起定着突起□330mm(固定側)(固定側)□450mm,□400mm□450mm,□400mm(充実断面)(緊張側)(緊張側)C2C1C3削孔φ150C3C1C1C3連続化により、(曲げ補強併用)(せん断補強)上縁に引張応力が発生(せん断補強)4350ゲルバー部受桁既設横梁吊桁炭素繊維シート炭素繊維シート炭素繊維シート既設横梁図-2 ゲルバー連続部補強概要図 写真-1 箱桁内ケーブル配置 写真-2 新設下部工・横梁完成状況 図-3 支承取替工構造図(増厚方式)高島秀和 鈴木和典 別所辰保 水上伸介 技報 第14号(2016年)3

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