技報第14号
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る移動架設機の耐荷能力に依存する.そこで本橋では二つの方法で移動架設機が負担する施工荷重を低減した.一つは先述のとおり,コンクリートウェブを波形鋼板ウェブに変更することである.もう一つは波形鋼板ウェブのフランジを接続し,これに下床版コンクリートの打設荷重を負担させることである.これらの2つの方法により,基本設計では最大3.5mであった施工BL長を6.4mまで延長することができた.波形鋼板ウェブのフランジを用いた耐荷機構概要図を図-4に,波形鋼板ウェブに下床版コンクリート荷重を負担させる構造の概要図を図-5に示す. この1BL施工長の延長により,基本設計では31 BLであった張出しBL数を13 BLまで削減し,約190日の工期短縮を可能とした. 4.上部工構造の変更とその効果 本橋のA2橋台は,計画当初,背面側の川西トンネルが貫通後に,同トンネルを工事用道路として利用し施工を行う計画であった.しかし実際の工程においてはトンネルの貫通を待ってA2橋台を施工する計画では本工事の工期を遵守できないことが判明した.そこで,A2橋台前面側からの施工も検討したが,地形が急峻なことや国道および能勢電鉄の軌道に近接していることから安全面での懸念があり,前面からの施工は困難であると判断した.よって,P2橋脚から張出した上部工の最終BLの橋面上にクレーンを設置し,これで資材を供給しながら作業構台を構築,その後クレーンを完成した構台先端まで移動して,構台上からA2橋台の施工を行う計画とした.ここで,構台構築のためのクレーンは最終の13BLの橋面上に設置する計画であったが,現地を3D測量した結果,地山の地形が計画と異なり移動架設機が地山に干渉して13BL施工位置まで前進できないことが分かった.地山が干渉する位置は電鉄のトンネル抗口直上であることや重機の進入が容易でない急峻な地形であることから掘削作業は難しい.最終BL分を構台の延長で補う案についても検討したが,構台の支柱を電鉄のトンネル上に設置することも不可能であるため,この案も不採用とした. そこで代替案として,最終BLの波形鋼板ウェブのみを旧BL上に設置したクレーンで架設し,この上にH鋼と覆工板で作業場を構築して,クレーンを前進させることで先の構台を構築することとした.橋台の構築後は,この波形鋼板ウェブ上の作業場も構台の一部として利用し,最終BLの上下床版のコンクリートは,側径間と同時施工する計画へと変更した.波形鋼板ウェブ上の作業場に設置するクレーンは45tラフタークレーンとし,波形鋼板ウェブにはH形鋼150mmを用いた形状保持材を取り付けることで波形鋼板ウェブの変形やねじりを防止する計画とした.波形鋼板ウェブ上にクレーンを設置した概要図を図-6に,A2橋台の全体施工概要を図-7に示す.このように本設の材料である波形鋼板ウェブを補強して用いる事によって,構台の延長不足区間に新たな仮設鋼材などを用いることなく施工を進めることが可能となる. Key Words:張出施工,波形鋼板ウェブ,6.4mブロック 田口靖雄 清水啓史 後藤友和 小原昇吾 図-4 波形鋼板ウェブの耐荷機構 図-5 下床版コンクリートの支持構造 図-6 波形鋼板ウェブ上の作業概要図 図-7 構台からのA2施工状況概要図 WR覆工板H形鋼350形状保持材H形鋼15045tラフタークレーンH形鋼200波形鋼板ウェブWL技報 第14号(2016年)5

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