技報第14号
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3.試験結果および考察 3.1 膨張率および圧縮強度 膨張率は,配合FAEXにおいて230×10-6,HCEXにおいて175×10-6となり,目標値を満足した.材齢の28日の標準養生した試験体の圧縮強度は配合FAEXにおいて61.8N/mm2,配合HCEXにおいて71.2N/mm2であり,目標値を満足した.W/Bが同じであるが,配合FAEXの圧縮強度は,配合HCEXのより小さくなることが認められた.このことは,各結合材の水和進行の速さの差に伴うEXによる空隙形成に差が生じ,圧縮強度の発現に影響したことが理由として考えられる. 3.2 湿潤養生日数 配合FAEXと配合HCEXの湿潤養生日数をパラメータとして実施した材齢28日の圧縮強度を図-2に示す.いずれの配合も養生方法D7の圧縮強度は,養生方法Dと比較して,約10N/mm2大きくなったが,養生方法D5とD7とでは,圧縮強度はほぼ同程度であり,脱型後の湿潤養生日数を4日以上としても圧縮強度の増進はほとんど認められなかった.このことから,脱型後の湿潤養生日数は4日程度とすることが望ましいと考えられる. 配合FAEXと配合HCEXの各養生方法の透気係数を図-3に示す.配合FAEXの養生方法D5およびD7の透気係数は,養生方法Dの1/2程度の値となっており,湿潤養生による表層部の品質の改善が認められた.配合HCEXに関しては,同様に湿潤養生を実施することにより表層部の改善効果が認められたが,脱型後の湿潤養生日数を2日からさらに延長しても表層部の改善効果はほとんど変わらないことが認められた.このことから,透気性の観点からの脱型後の湿潤養生日数は配合FAEXにおいて4日程度,配合HCEXにおいて2日程度とするのが望ましいと考えられる. 配合FAEXと配合HCEXの各養生方法の塩化物イオンの浸透深さを図-4に示す.配合FAEXの塩化物イオンの浸透深さは湿潤養生日数の増加に伴い小さくなる傾向が認められ,その結果は配合HCEXより小さくなり,FAによる塩化物イオン浸透性の抵抗性の向上が認められた. 4.まとめ 分級フライアッシュと早強ポルトランドおよび膨張材とした収縮補償コンクリートの翌日脱型後の湿潤養生日数を検討した結果,圧縮強度の発現と透気係数の観点から4日程度が望ましいと考えられる.一方で,早強ポルトランドおよび膨張材とした配合の翌日脱型後の湿潤養生日数は,圧縮強度の発現において4日程度,透気性の観点では2日程度が望ましいと考えられる.塩化物イオンの浸透に対する抵抗性は,湿潤養生日数の増加に伴い向上し,その傾向は分級フライアッシュを用いた場合に顕著に認められた.また,フライアッシュによる塩化物イオン浸透性に対する抵抗性の向上が認められた. Key Words:分級フライアッシュ,収縮補償,強度,耐久性,湿潤養生日数 鈴木雅博 小林和弘 図-1 透気試験および塩分浸透性試験に用いた試験体形状 図-2 各養生方法の圧縮強度(材齢28日) 図-3 各養生方法の透気係数 図-4 各養生方法の塩化物イオンの浸透性深さ 2040020100100unit(mm)支圧版鉄筋(D16)4921919150150PC鋼棒φ17mm0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 圧縮強度(N/mm2)DD3D5D7FAEXHCEX0.010 0.100 1.000 0 1 2 3 4 5 透気係数(x10-16m2)養生方法FAEXHCEXDD3          D5          D7   DD3          D5          D7   評価:一般評価:良0 2 4 6 8 10 0 1 2 3 4 5 塩化物イオンの浸透深さ(mm)養生方法FAEXHCEXDD3          D5          D7   DD3          D5          D7   技報 第14号(2016年)15

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