技報第14号
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写真-2 柱部材外観 写真-3 床版部材外観 01020304050607080901001.82.32.83.33.8圧縮強度(N/mm2)C/W銅スラグ細骨材30%一般骨材100%材齢28日標準養生図-2 圧縮強度試験結果 01020304050607080901001.82.32.83.33.8圧縮強度(N/mm2)C/W標準28日1日7日28日柱部材01020304050607080901001.82.32.83.33.8圧縮強度(N/mm2)C/W標準28日1日7日28日版部材01020304050607080901001.82.32.83.33.8圧縮強度(N/mm2)C/W標準28日1日7日28日部材同一 3.2 圧縮強度,静弾性係数 圧縮強度試験結果を図-2に示す.柱部材,版部材および部材同一養生供試体の圧縮強度はセメント水比(C/W)の増加とともに直線的に大きくなり,銅スラグ細骨材を30%混入した場合でも, 60N/mm2を超える高強度域における強度発現の鈍化は認められなかった.また,柱部材および版部材における材齢28日のコア強度は,標準養生供試体の材齢28日強度に比べ,若干小さい値を示したが,その差として定義される構造体強度補正値(28S28)は,いずれも 5N/mm2以下であった. 銅スラグコンクリートと一般骨材のみを使用したコンクリートの強度比較を図-3に示す.銅スラグコンクリートの材齢28日の標準養生供試体強度は,プレキャスト製品工場で常用している一般骨材のみを使用した場合と同等の強度発現となった.このことから強度発現の観点からは,銅スラグ細骨材はプレキャスト部材に問題なく使用できることを確認した. 静弾性係数の試験結果を図-4に示す.銅スラグコンクリートの静弾性係数は,いずれの強度レベルにおいても日本建築学会のNEW RC式に対し90%以上の値を示し,建築部材への適用に際して規定されている80%以上を十分に満足した. 4.適用事例 銅スラグコンクリートを設計基準強度50N/mm2のPC構造建築物のプレキャスト部材(柱,梁,ハーフ床版)に適用した.部材に用いたコンクリートの調合はJASS10(2013)に準拠して定めた.構造体強度補正値28S28は5.0N/mm2とし,水セメント比は36.0%とした.銅スラグコンクリートのフレッシュ性状は良好であり,柱,梁およびハーフ床版へ通常の方法で打込み可能であった.また,強度発現も良好で,部材表面の美観(色合い)も一般骨材と大きな差異はなく,要求性能を満足する高品質なプレキャスト部材の製造が可能であった.銅スラグコンクリートを使用したプレキャスト部材の外観の一例を,写真-2および写真-3に示す. 5.まとめ 本報告は,銅スラグ細骨材を使用したコンクリートの建築用プレキャスト部材への適用に向けて実施した各種実験結果と適用事例を示した.銅スラグコンクリートは,密度が大きいことや鉛含有量に規定があるため,調合に若干の制約を受けるものの,施工性および強度発現においては一般骨材と同様に扱える材料であることが確認された.銅スラグ細骨材は工業製品であり,供給量および品質の両面で安定した材料であるため,良質な天然骨材の安定供給が不安視される今後に向けての一つの準備が整ったものと考えられる. Key Words:銅スラグ細骨材,プレキャスト,PC建築物, 環境負荷低減 中瀬博一 川本浩一 小野原英一 浦辺真一 010203040506030405060708090100110静弾性係数(kN/mm2)圧縮強度(N/mm2)NEW RC式×90%NEW RC式×80%(下限値)NEW RC式E=3.35×k1×k2×(γ/2.4)2×(σp/60)1/3(k1=k2=1,γ=調合値)材齢28日標準養生図-3 一般骨材との強度比較 図-4 静弾性係数試験結果 技報 第14号(2016年)17

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