技報第14号
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図-1 実施手順イメージ 現地調査評価・判定データ整理データベース登録データ分析社内技術へのフィードバック管理者に対する報告・メンテナンス技術の提案重大な損傷があった場合表-1 評価項目 路面伸縮支承排水下部工ひびわれ・漏水・遊離石灰○○○鉄筋露出○○○○床版ひびわれ(・漏水・遊離石灰・抜け落ち)○PC定着部の異常○○○○舗装面の異常○遊間・伸縮の異常○支承の機能障害○排水の異常○下部工の変状○第三者被害の可能性○○○○○○○○その他その他の損傷横桁床版(間詰)コンクリート部材の損傷評価項目主桁ピーエス三菱の橋守プロジェクト 技術本部 技術部 雨宮美子 1.はじめに 当社では2011年度より,当社施工の既設PC橋の点検,健全度の評価を技術系職員が一貫して行い,そのデータの管理をおこなっている.本稿では,点検・診断の紹介と調査時に多く見られたポストテンションT桁橋の損傷について記す. 2.点検・診断の概要 本取組みの実施手順イメージを図-1に示す.現地調査および評価・判定した結果を,データベースとして登録し,社内技術へフィードバックするのが標準的な手順であるが,重大な損傷があった場合には,道路管理者への報告や提案をすることにしている.また,本取組みにおける点検・診断の特徴を①~④に示す. ①当社施工のPC橋を中心に技術系職員が行う点検・診断 数人の限定した当社社員が目視調査を行っている.診断結果に個人差が生じないよう,定期的に点検水準の確認と摺り合わせを実施している. ②同一橋梁に対し,継続的な複数回点検・診断の実施 1回限りの調査ではなく,同一橋梁を複数回点検することで,変状の進行傾向を把握する ③国土交通省国土技術政策総合研究所(国総研)手法1)を基本とし,当社独自の評価を加えた評価手法の採用 国総研手法とは,地方自治体が管理する国道や地方道の橋梁調査において,簡易的に道路橋の健全度を概略把握するために必要と考えられる基礎的情報を得るための手法として国総研が2007年に提案した調査手法である.当社では,これをベースに,特に水の関与に着目した評価手法を用いている.本取組みの評価項目を表-1に示す. ④データの管理 施工実績,竣工図書,健全度情報を当社地図システム上で一括管理している.変状の原因推定や,補修計画の作成に竣工図書と関連付けることが可能である.モバイル端末を用いれば,架橋地点からも竣工図書や過去の点検データ類を閲覧可能である. 3.点検データの分析 3.1 分析対象データ 本取組みで調査した橋梁形式の内訳を図-2に示す.ただし,断面修復や表面塗装などの補修をした橋梁は除外する.ここでは,点検データ数の多いポストテンションT桁橋に着目し,そのなかから比較的頻度の高い損傷である主桁シースに沿ったひび割れについて考察する. 3.2 ポストテンションT桁橋主桁シースに沿ったひび割れ 本取組みによる点検結果によれば,ポストテンションT桁橋では,複数橋梁において主桁シースに沿ったひび割れが見られた.写真-1は下フランジでの事例であり,写真-2はウエブに生じた事例である.後者では,主ケーブルの曲げ上げに沿ってエフロの析出が見られる. この原因としては,グラウトの充填が不十分であり,シース内に水が入り,その水が寒冷時に凍ってひび割れが発生した可能性が高いと考えられている.図-3は,竣工年代別の当 図-2 橋梁形式の内訳 その他 プレテンI桁 プレテンホロー桁 プレテンT桁 ポステンT桁 中空床版橋 ポステン箱桁橋 24% 15% 35% 9% 6% 6% 5% 28

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