技報第14号
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薩埵さった高架橋塩害補修工事の施工 -東名高速道路 薩埵高架橋- 東京土木支店 土木工事部 本間元 東京土木支店 土木技術部 花房禎三郎 東京土木支店 土木工事部 渡辺健一 1.はじめに 本工事区間の東名高速道路は,第1次開通区間であり,1968年4月に供用が開始されてから約48年が経過している.2012年に新東名高速道路が開通して交通量が半減したものの,現在でも東西を結ぶ交通の大動脈である. 施工箇所は,東海道の難所として知られた薩埵峠のふもとであり,山が海にせまる急峻な地形条件にある.また,駿河湾に面する海岸線に沿って国道1号,JR東海道本線の主要な交通幹線が並走している.天候にも左右されやすく,台風や低気圧による高潮で越波により通行止めがよく起こる場所としても有名である. 本工事の主である薩埵高架橋は,海上部に架橋されたポストテンション方式PC連結合成桁橋である.長年潮風や波しぶきにさらされていたことにより,塩害による断面損傷が多く見受けられた.これまでにもコンクリート表面被覆工,電気防食工が行われてきており,今回工事においては,塩害対策がされていない径間の補修を実施した. 由比港橋は,由比漁港内海上部に架橋された3径間連続の2室箱桁橋で中央径間中央部はヒンジ構造となっている.本工事では,塩害による断面修復,はく落防止対策およびコンクリート表面被覆の施工を行った. 富士48C-BOX(ボックスカルバート)も由比漁港内の盛土土工部にあり,過去には河川として機能していたが,現在では駿河湾と由比漁港内の海水が行き交う場所である. 富士52C-BOXおよび富士54C-BOXは,東名高速道路の由比PA付近の盛土土工部にあり,河川として機能し,国道や高速道路からの雨水等排水が流入している.本工事では,断面修復およびコンクリート表面被覆の施工を行った.いずれの場所も海上部や海岸部に隣接した場所であり,気象条件により施工が制約される厳しい作業環境である. 2.工事概要 工 事 名 :東名高速道路 薩埵高架橋塩害補修工事 (平成25年度) 工事箇所 :静岡県静岡市清水区由比今宿地先~西倉澤地先 発 注 者 :中日本高速道路株式会社 東京支社 工 期 :平成26年 5月13日 平成28年 3月22日(680日間) 工事位置 :図-1による. 図-1 施工位置図 3.施工内容と問題点およびその対策 3.1 薩埵高架橋 施工対象範囲は,ほぼ海岸・海上部である.海面から橋梁までの高さは10m程度であったが,写真-1に示す通り,低気圧や台風により床版下まで波しぶきが上がり,強風が常にあたるなど,自然環境はかなり厳しい所であった.こうした環境であったため,吊り足場は,SKパネルのジョイントの他に,4角をクランプ止めとし,浮き上がり防止サポートを増設,横方向に朝顔用の控えパイプを設置して強風や波浪対策を行った.これにより1年以上吊り足場を設置していたが,一度も足場が損壊することなく終えることができた. 写真-1 波浪状況(台風時) 主な工種である電気防食工は,当社と中日本高速道路株式会社で共同開発したPI-Slit工法にて施工を実施した. 陽極の墨出し後は,全延長に渡りRCレーダーを走査させ,鉄筋のかぶり厚さを調査した.鉄筋かぶりが25mm以下の場合,陽極を縦置きから平置きに捻る形で設置した.陽極設置は,次項の通り3種類に分けて施工した. 32

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