技報第14号
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① 主桁・張出下面は,図-2に示すような主桁寸法にあわ せた支保工材を製作したものを用いて溝内のモルタル充填を手押しポンプにて行った. ② ウェブ側面部は,図-2に示すような,発泡面木を溝切 にあわせて貼付け,モルタルを流し込みにて充填した. ③ 陽極結線部は,スポット溶接機にてチタングリッド 陽極とディストリビュータを交点で繋いで溝内に固定し,モルタルの充填を行った. 電気防食の管理は,同一回路内で鉄筋が繋がっていること,同一通電点位置の陽極が繋がっていること,陽極と鋼材が絶縁されていること,照合電極が基準値内の値を示していること,配管配線前に仮通電試験を行い各通電点に電流が分配されていることを確認した.最終的には,通電調整試験により,防食電流密度を決定し,通電開始から足場解体までの2ヶ月間は,正常に通電されていることを確認した. 図-2 陽極設置型枠図 施工対象範囲外も塩害による床版や下部工,検査路の腐食などが確認されたので協議し,追加工事を行った. 床版補修は,供用しながらの作業であるため,安全性を考慮し,浮いている部位のみを落として断面修復およびコンクリート表面被覆を行った. 検査路は,メッキ鋼材で製作され,設置から25年程度経っており腐食が激しかった.このため,緊急に取替が必要な検査路について撤去から新規設置を行った.検査路の材質は,アルミ合金製のものを採用した. 3.2 富士48C-BOX,富士52C-BOX,富士54C-BOX ボックスカルバートの施工は,8月から10月まで台風シーズンの間は施工ができないこと,河川管理者である静岡市からは,渇水期に施工を完了させるよう依頼があったことにより,12月~5月の半年間で完了するよう工程調整を図った. 海と河川に挟まれた環境の中での施工であったので,河川や路面からの雨水の排除と海水の遮断の両方を行わないと断面修復やコンクリート表面被覆の施工ができない.特に波浪に対しては,施工中の安全性を考慮して鋼矢板を坑口に後施工アンカーにて止め,背面をアングルの斜材で固定し,波に対して確実に対抗できるようにして,施工箇所の仮設構造物が損傷を受けないようにした. 断面修復は,壁面,天井面の全面を40mmはつる設計であったが,発注図書の報告書により,全面を同時にはつると頂版の曲げ応力度が許容値を超過するため,天井面を支保工で支持し,壁面と天井面を2回に分けて施工することで安全性を確保した. ウォータージェット工法でのコンクリートはつり作業は,写真-2に示すようにX-Yはつり装置を用いて行った.はつり時には雨が多く,山間部からの雨水がボックスカルバート内に一気に流れ込み,締切りの高さまで冠水したことが幾度かあった.はつり作業中は,常に汚濁水が発生するため,強力吸引車で常時濁水回収を行いながら施工を行った.はつり深さは,鉄筋が全面に腐食していたことにより,当初想定深さより深くなった.露出した鉄筋は,断面が全体に断面が減少し一部破断していたことから補強鉄筋を新たに設置した. 写真-2 ウォータージェットはつり状況 断面修復は,2層に分けて行った.露出鉄筋と追加した鉄筋の防錆モルタルを塗布後,始めの1層目は,亜硝酸リチウム溶液を固形分で55kg/m3添加したポリマーセメントモルタルを10mm厚さで吹き付けた.その後,ポリマーセメントモルタルを30mm以上の厚さで吹き付けた. コンクリート表面被覆は,ボックスカルバート内の湿度が表面仕上がりに影響するため,事前に河川上流側の遮水,強制排水の再整備,事前の換気および清掃を実施し,コンクリート表面水分および湿度を計測した上で施工を行った. 4.まとめ 今回は,海上部や海岸部に隣接した厳しい地形条件,過酷な環境条件下での補修工事であったものの,2016年3月に工事は無事に終了した.本稿が,今後の同種工事の参考になれば幸いである. 写真-3 薩埵高架橋完成(下り線) Key Words:塩害補修,電気防食工,PI-Slit工法,C-BOX 本間元 花房禎三郎 渡辺健一 技報 第14号(2016年)33

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