技報第14号
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桟橋維持点検・補修作業時のPC足場について (株)ニューテック康和 工務部 井口直道 (株)ニューテック康和 技術部 山田俊一 1.はじめに 港湾施設の一部である桟橋(写真-1)は建設後,塩害等による経年劣化が進み,維持・補修工事等が実施されることになる. 今回は,これら桟橋の維持点検および補修工事に際し,当社が提案するPC足場について紹介する.PC足場は,株式会社ピーエス三菱と株式会社ニューテック康和およびダイチメンテナンス株式会社の実用新案(登録番号3172161)である. 2.従来足場の問題点 桟橋の維持点検・補修工事で発注される足場は,桟橋の床版下面にアンカー材を打ち込み,そのアンカー材からチェーンで鋼管を吊るし,その鋼管上に足場板を敷き並べて作業床とする場合が一般的である.しかし,この形式の吊り足場では,ボート・筏等を使用した足場の不安定な作業環境下で多数のアンカー材を床版下面に打ち込む必要がある.また,その後のチェーン・床材の組み立てに多大な時間と労力を要する.解体時についても同様である.さらに,作業空間には多数の吊りチェーンが存在し,点検や塗装および補修等の作業の妨げとなり,作業効率の悪化といった問題が生じる.コンクリートに多数のアンカー削孔することも,構造物の耐久面から望ましくない. また,作業床の設置条件によっては,アンカーには日常の潮位変化による揚力で作用荷重の変化,悪天候時には波浪に伴う揚圧や押圧の影響は避けられない.特に,大きな波浪により持ち上げられた床材の落下によって局部的な過荷重が作用した場合は,アンカー破断が生じるケースも多い. PC足場は,上記の問題点を改善するために開発された作業足場である.海上での組み立てや解体の省力化を図り,各工種での作業性,経済性,海象条件に対する安全性に優れた工法である. 3.構造概要 桟橋構造は図-1,2のように,鋼管杭が横方向に5@5.0m=25.0m,縦方向に3@6.0m=18.0mで配置され,上部工は鉄筋コンクリートの梁と床版で構成されている. PC足場の構造を図-1,2,3,4に示す.構造は①PCケーブルを横方向杭の両側面に沿って配線し,端部杭に設置した定着金物に緊張・定着する,②各中間杭に支持金物を配設し,配線時の撓みと緊張後の振動を防止する,③配線したPCケーブル上に角鋼管を直角方向に並べ,その上に作業床となるエキスパンドメタルを敷設すると,シンプルな組み合わせである. 写真-1 桟橋全景 図-1 桟橋 平面図 図-2 桟橋 側面図 図-3 PC足場 平面図 34

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