技報第14号
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図-2 鏡注入ボルト模式断面図 図-4 坑門工の工法概要図 図-3 材齢(hr)と圧縮強度の関係 写真-4 鏡注入ボルト施工状況 写真-5 防音扉設置状況 表-2 支保パターン毎の必要脱型強度 切羽面(鏡吹付け)掘進方向鏡注入ボルトロックボルト注入式フォアポーリング地山内部の亀裂CASE-1CⅡ-bパターンCASE-2DⅠ-bパターンCASE-3DⅢパターン0.555×3 =1.665 N/mm21.018×3 =3.054 N/mm2脱型時必要強度1.245×3 =3.735 N/mm2検討ケース<鉄筋型枠先行工法> <従来工法> 50msブロック0msブロック3245678967101152341312500170048003284567910111257623413y = 0.2495x + 1.601R² = 0.9895y = 0.1596x + 0.2572R² = 0.9999y = 0.545x + 3.6667R² = 0.7294y = 0.465x + 3.0567R² = 1y = 0.585x + 1.91R² = 0.9946CⅡ‐by = 1.665DⅠ‐by = 3.054必要脱型強度DⅢy = 3.73502468101012141618202224262830323436384042一軸圧縮強度(N/mm2)材齢(hr)4BL9BL16BL16,9,4BL(防寒養生あり)事前試験17BL(防寒養生なし)落ちや注入式フォアポーリングの下側での抜け落ちが発生した.そこで,切羽作業の安全確保のため,鏡注入ボルトを実施した.鏡注入ボルトは,トンネル進行方向へ亀裂を縫い付ける効果と,注入薬液が地山内部の亀裂へ浸透する効果により,岩盤内部の空隙を充填し,岩盤を一体化させるものである.これにより,切羽面の肌落ち・抜け落ちの防止を図った. 4.2 全体工期の短縮について 4.2.1 覆工コンクリートの工期短縮対策 覆工コンクリートの施工サイクルは,全体工期に大きな影響を与えるため,適正な脱型時期を決定する必要があった. 脱型に必要な圧縮強度は,地山を弾性バネとして,覆工コンクリートの死荷重により発生する断面力を平面骨組構造解析により求め,既往の研究結果をもとに算出した. 脱型に必要な強度に到達する時間は,事前に「若材齢圧縮強度試験」を行い確認した.さらに打設時期が寒冷時期で,気温の影響を受け,養生時間が延びるため,ジェットヒーターによる「防寒養生」で温度管理を行い,所定のサイクルを維持するよう管理した.支保パターン毎の必要脱型強度を表-2に,材齢と圧縮強度の関係を図-3に示す. 4.2.2 坑門工の鉄筋型枠先行工法の採用 覆工コンクリート工と坑門工の工期短縮を目的に,覆工コ ンクリート工と坑門工の併行作業が可能となる「鉄筋型枠先行工法」を採用した(図-4参照).鉄筋型枠先行工法は,H形鋼を門型架台に組み立てることで,スライドセントルを事前にセットする必要が無いため,足場組立から面壁部型枠組立までの期間を,覆工コンクリートの施工期間に充てることができ,約1ヶ月工期の短縮を図ることができた. 4.3 発破騒音振動の低減対策 発破による騒音・振動の管理値を低周波音75dB以下,振動速度0.1kine以下,貫通時の騒音を55 dB以下と設定した. 本工事の振動・騒音の低減対策を以下に示す. 4.3.1 コンクリート充填式防音扉の採用 コンクリート充填式タイプ を設置することで,標準タイ プより-7dBの防音効果を得 ることができた. 4.3.2 導火管付雷管の採用 民宿と切羽位置の関係は, トンネル掘削が進むにつれ 近づくため,終点側 DI-bパターン以降 の発破掘削は,導火 管付雷管を用いた制 御発破を採用した (図-5参照). 4.3.3 貫通時の対策 貫通部は,大型ブレーカによる「機械掘削」とした.機械 掘削とすることで発破による騒音・振動を無くすとともに, 貫通時の飛石事故も回避することができた. 終点坑口部は,防音パネル(高さ5m)を組み立て,さらに 防音シートを設置することで,騒音の低減を図った. 5.まとめ 室浜トンネルは,施工延長が短いゆえに全体工期も短く,工程に遅延が生じた場合,挽回することが困難であった.そのため工期の遵守には,掘削進行を止めないで貫通させることが重要な課題であった.さらに覆工・坑門工についても,工程の短縮に取り組み,全体で約2ヶ月短縮でき(短縮率9%),無事工期内で竣工を迎えることができた.本工事の取り組み事例が今後のトンネル工事の参考となれば幸いである. Key Words:震災復興,切羽安定対策,坑門鉄筋型枠先行工法,発破振動騒音低減 図-5 制御発破パターン図小原正直 宮本靖 江川修次 園木聡 技報 第14号(2016年)37

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