技報第14号
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設されている.さらに中深度(GL-4~12m程度)には地下鉄日比谷線,NTTとう道および同とう道の立坑がある. 日本橋地区は江戸時代からの中心地でもあり,石垣や石畳,木製の樋管等,当時の遺構の一部や関東大震災と戦時中の空襲によるがれき類も多く地中に残されている. 3.2 調査 施工に先立ち,各埋設企業者との協議を行い,試験掘り・探査ボーリング等の現況調査を実施して各埋設管路の正確な位置,深度を確認して埋設図を作成し,この結果をもって開削工法にて施工可能か否かを確認する. 本工事では,試験掘り約120箇所,探査ボーリング24箇所,可燃性ガス調査1箇所,地質調査ボーリング2箇所,観測井6箇所を実施した. 3.3 障害要因 開削工法での土留めは,鋼矢板Ⅲ型(L=6.0~7.5m)を圧入することとなっている.他企業の既設インフラと鋼矢板との離隔を協議により100~300mmに設定するが,この離隔を確保できない箇所や,中深度構造物により鋼矢板圧入不可の箇所,根入が確保できない箇所が各交差点を中心に多数存在した. 特に狭隘路地部では試験掘りの結果より,鋼矢板を圧入する位置,および掘削するスペースも無く,布設替を行う配水本管は他企業埋設物の下部に埋設されているため,開削による撤去布設が不可能であることが判明した.(写真-3) また,既設埋設物施工当時の土留杭等も,対象区間に複数確認され,未確認残置物の存在も想定された. 写真-3 狭隘部試験掘り 4.工法変更検討 4.1 推進工法の選択 4.1.1 工法の変更 水道局との協議により非開削工法として,推進工による鞘管を構築後,耐震鋳鉄管を鞘管内にパイプイン推進で布設する変更を行った. 4.1.2 選択した鞘管推進工法の種類 未知の残置杭等に推進機が接触し施工不能の場合,通常は地上からの掘削で推進機を回収するが,今回施工箇所は狭隘部であり,かつ埋設物によりこれが不可能なため,地中障害対応型泥濃式推進工を採用し,保険契約方式の内容,施工ヤード面積,泥水処理量,障害対応時の段取替に掛かる日数等を総合的に評価し,ジャット協会のミリングモール工法(写真-4,5,6)とした.この工法の特徴として,下記の4大機能を内蔵している. 1.推進機内より電磁波にて地中内の金属を探査する機能. 2.金属・コンクリート類を旋盤の様に切削する面盤用の微調整ジャッキの内蔵. 3.切削時の切羽安定を図るための機内薬液注入機能. 4.到達立坑への電磁誘導システム(オプション) 写真-4 面盤全景 写真-5 掘進機側面 写真-6 機内 4.1.3 選択した配管推進工法の種類 本工事は上水道のため推進管の中に,耐震型ダグタイル鋳鉄管(NS形)を挿入推進する.今回は開削区間で採用していた鋳鉄管と同メーカーの工法であるEPS工法(図-2)を採用した.この工法はNS形鋳鉄管の耐震機能を管推進時に損なわないよう保護する工法である. 図-2 NS形EPS工法概要断面図 5.施工状況と結果 所轄警察署との協議により常設規制帯を設けることができ,路上プラント設置と発進立坑の常時開口が確保できた.規制帯は一般通行帯3m確保で工事占用幅員6m,交差点をまたぎ延長70m+30mの非常に狭隘な施工ヤード(写真-7,8)であったが,2スパン推進で鞘管・本管を合わせ5ヶ月で施工することができた. 今回は想定された地中障害に接近はしたが,接触することはなく,障害対応機能を使用することはなかった.しかし不意の障害物への対策を行っての施工で,リスク低減に寄与したと考える. 写真-7 路上作業全景 写真-8 発進立坑内 Key Words:都市土木,障害対応型推進,耐震型鋳鉄管 武田康 有田佳史 技報 第14号(2016年)39

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