技報第14号
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段丘堆積物が分布している切土法面の施工 -中部横断自動車道 樋之上改良工事- 東京土木支店 土木工務部 前木浩利 1.はじめに 中部横断自動車道は,静岡県静岡市を起点に,山梨県甲斐市を経由して長野県小室市に至る延長約132kmの高速自動車国道で,周辺地域における生活,産業,観光面の活性化,水害時の交通寸断の改善,地震災害時の緊急輸送路の機能向上,高次医療施設への迅速な移動が可能となるなど,さまざまな効果が期待されている.樋之上改良工事はその一部区間の狭隘な山間部において切土法面を補強しながら掘削し,橋台を施工する工事であった. 本稿は,その切土法面の施工について報告するものである. 2.工事概要 本工事の概要を以下に示す.また,全体平面図を図-1に,標準断面図を図-2に示す. 工 事 名:H26中部横断樋之上改良工事 発 注 者:国土交通省関東地方整備局甲府河川国道事務所 工事場所:山梨県南巨摩郡身延町樋之上~和田地先 工 期:自)平成26年9月3日,至)平成28年3月31日 工事内容:道路土工 掘削工 13,450m3 法面工 受圧板工 667枚 鉄筋挿入工 D19~D25 L=2.5~7.0m,667本 橋台工 逆T式 1基(深礎工φ2500,4本) 図-1 全体平面図 図-2 標準断面図 3.施工上の問題点 当初設計における法面補強工は,吹付け法枠工と鉄筋挿入工の併用により逆巻き工法で計画されていたが,「設計会社が安定解析などの照査を実施せずに,地質調査結果のみで施工方法を経験的に決定していたこと」,「吹付け法枠工では,施工に手間がかかり工期内に工事を完了できないこと」などが,工事受注後の設計照査により判明した.また,当該施工個所の地質は,地下水位が3mと高く,切土2~4段目は段丘堆積物(礫混砂)で,施工中の切土法面の崩落も懸念されるため,工程と施工方法の最適化を検討する必要があった.当初設計の吹付け法枠工正面図を図-3に,地質断面図を図-4に示す. 図-3 吹付け法枠工正面図 凡例: 段丘堆積物(N値10以下) 軟岩ⅠMm(泥岩)CL級 計画掘削ライン 図-4 地質断面図 4.対応策 4.1 安定解析の実施 4.1.1 解析条件 当初設計の逆巻き工法による法面施工は,切土1段毎に繰り返し仕上げていくものであった.施工手順を図-5に示す. ←静岡 甲府→40

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