技報第14号
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SD490級梁主筋を機械式継手により柱梁接合部内で接合する プレキャスト化工法の開発 技術本部 技術部 新石雅文 技術本部 技術部 渡邊一弘 1.はじめに RC造建物のプレキャスト(以下PCa)化工法は主に超高層物件で採用されてきたが,今後は中高層建物でも積極的に活用していく必要があると考える. 本工法は柱および梁を単材でPCa化し,柱梁接合部において梁主筋を機械式継手により接合して現場打ちコンクリートにより一体化する工法である.柱梁接合部内の機械式継手の付着力に関しては十分な設計資料がないのが現状であり,機械式継手の使用にあたっては柱梁接合部内での応力伝達を実験により確認する必要がある.昨年行った実験では梁主筋にSD390の普通強度鉄筋を使用し,柱梁接合部内に継手を設けた試験体の付着性状および履歴性状が通し配筋と同等であることを確認した.本年度は梁主筋にSD490の高強度鉄筋を使用し,同様の構造性能を有するかを確認するための実験を行った. コンクリートの設計基準強度は中高層建物で一般的に使用されている36N/mm2とした. 2.試験体 試験体一覧,および試験体形状をそれぞれ,表-1および図-1に示す.また,試験体に使用した材料の特性を表-2に示す. 試験体は十字形柱梁接合部の部分架構形式とし,スケールは実物の1/2とした.試験体の種類は柱梁接合部内における継手の有無および継手の種類をパラメータとした3種類(RCH-N,RCH-CS,RCH-CF)とした.RCH-Nは柱梁接合部内の梁主筋を通し配筋とし,継手を設けない標準試験体である.RCH-CSは上端の梁主筋にC継手(継手長さ110mm,継手径32.6mmのネジ式継手)を,下端の梁主筋にS継手(継手長さ260mm,継手径38mmのモルタル充填式スリーブ継手)を設けた試験体である.RCH-CFは上端の梁主筋にC継手を,下端の梁主筋にF継手(継手長さ180mm,継手径32.6mm)を設けた試験体である.試験体の部材寸法は全試験体共通とし,柱断面は450×450mm,梁断面は360×450mm,梁支点距離は1500mm,柱支点間距離は1500mmとした. 柱梁接合部内の梁主筋の付着強度τuは参考文献1)を参考に算出し,付着強度τuが設計付着応力度τjの0.8倍程度となるように付着条件の厳しい設計を行った. 3.実験方法 試験体の柱脚部はピン支持,梁両端はローラー支持とし,一定軸力(0.1b・D・Fc)を加えた状態で柱頭部分に水平力を載荷した.加力は層間変形角Rで制御し,正負交番繰り返し漸増載荷で,層間変形角が0.25%を1回,0.5%,1.0%,1.5%,2.0%,3.0%,および4.0%を各2回,5.0%を1回載荷した. 表-1 試験体諸元 RCH-NRCH-CSRCH-CF上端筋下端筋引張鉄筋比上端筋通し配筋ネジ式継手(C)2箇所ネジ式継手(C)下端筋通し配筋モルタル充填式スリーブ継手(S)ネジ式継手(F)あばら筋破壊形式bB×bD (mm)横補強筋接合部4/2-D19 (SD490)4/2-D19 (SD490) 項目        試験体cB×cD (mm)主筋帯筋コンクリート設計基準強度柱360×4504-D6 @50 (SD295A)pw=0.70%pjw=0.23%4-D6 ×3段 (SD295A)梁継手梁曲げ降伏型pt = 1.22%主筋Fc=36N/mm2450×45014-D19 (SD390)pg = 1.98%4-D6 @50 (SD295A)Pw=0.56% 圧縮強度ヤング係数降伏強度ヤング係数N/mm2N/mm2N/mm2N/mm2D6(SD295A)4572.00×105D19(SD390)4321.98×10546.53.08×104D19(SD490)5401.91×105上部柱コンクリート鉄筋下部柱・梁柱梁接合部43.63.03×104 4.実験方法 4.1 破壊性状 写真-1に変形角Rが2.0%時のひび割れ状況を示す. 上端筋 下端筋 上端筋 下端筋[RCH-CS] [RCH-CF]梁断面 柱断面 図-1 試験体配筋図(RCH-N)(mm) 表-2 材料試験結果 42

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