技報第14号
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3.工事概要 3.1 スタンド部分のPCa化 PCa化する範囲はコストおよび工期において最適となるよう打ち合わせを行い,梁はPCa,柱は現場打ちとする方針を立て,工場の生産能力や必要な型枠数などに応じて,工場PCa部材とサイトPCa部材への仕分けを行った.当社の担当箇所は,2~5階レンコン梁・先端梁・6階段梁・段床版である. 2階から5階のコンコース部分は,接合部一体型のPCa部材を製作したのち工場にて緊張工事を実施し,6階段梁は工期短縮と高所での施工性を考えてPCa化した部材を地上で圧着接合によって一体化する設計とした. コンコース部における1グリッドの施工順序は,現場打ち柱を打設したのち現場内で先端梁を一体化させたレンコン梁を架設.桁梁の架設,先端小梁の架設の後,接続部のコンクリートおよびスラブの打設を行い1グリッドの架構が形成される.コンコース部施工状況を写真-2に示す. 写真-2 コンコース部施工状況 3.2 PC段床版 PC段床版は,全部材をPCaとして,プレテンション方式によりプレストレスを導入している. 部材形状は,剛性の向上と部材数削減を目的として,1枚の版に2つの段を設けた2段床(標準スパン8.6m)である.図-2に標準断面を示す.部材数は1537pであり4つの工場で分担して製作を行なった. 1002659408001,74028056520140120940800Aタイプ 3.3 PCaPC段梁の施工 PCaPC段梁の本数は,メイン,アウェイ,バックスタンド(以下標準タイプ)36本,コーナースタンド16本,ホームスタンド10本の合計62本であった.標準タイプおよびコーナースタンドは,現場内の緊張ヤードに圧着接合用の架台をそれぞれ6台と8台設置し,その架台上で2P~3Pに分割したPCaPC段梁部材を圧着接合させて架設する計画であった.標準タイプ,コーナースタンドの緊張作業は,現場内に設けた圧着接合架台上で行うことで,作業しやすい環境を整え,作業の簡略化および工期短縮を図った.ホームスタンドの緊張作業は架設後の状態で下斜め方向からの緊張となったため, 常にジャッキを吊った状態で作業ができるよう緊張専用にクレーンを使用する計画とした.写真-3に緊張作業状況を示す. 写真-3 緊張作業状況(左標準タイプ,右ホームスタンド) 標準タイプは緊張・PCグラウト後,PCaPC段梁にサイトPCa部材の取付けを行い,ホームスタンドではPCaPC段梁仮置き後,PC鋼線を入線しサイトPCa部材の取付けを行った.取付後はPCaPC段梁とサイトPCa部材との機械式継手および目地にモルタルを充填し,モルタルの強度発現後にPCaPC段梁の架設を行った.写真-4にPCaPC段梁の架設状況を示す. 写真-4 段梁架設状況(左標準タイプ,右ホームスタンド) 4.まとめ 職人不足による工期の遅延が問題視されている中,本工事はPCa工法を活用することで現場作業の省力化と品質確保を行い短工期を実現することができた. Key Words:PCa工法,短工期,スタジアム,分割大梁 屋田研郎 坂梨嘉洋 成田裕史 井手章太 図-2 PC段床版の標準断面 技報 第14号(2016年)51

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