技報第14号
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桁行長さが100mを超える長大なPCaPC造医療施設の施工 -府中市民病院改築工事- 大阪支店 PC建築部 山内誠司 大阪支店 PC建築部 鈴木晋 大阪支店 PC建築部 井手章太 大阪支店 PC建築部 市澤勇彦 1.はじめに 府中市民病院は広島県東南部の総合病院で築50年を超えており,地域の高齢者の生活を支える地域医療の拠点を目指すという理念を実現するために,建て替え計画が立案された. 新病院は平時の地域医療施設と災害時の医療拠点としての2つの機能が求められ,梁せいを小さくでき,標準天井高さ以上を確保しながら設備配管類を天井内に納められること,常時荷重に対するひび割れ制御で高耐久性が得られ,地震時には高耐震性が確保でき,復元力に富むコンクリート構造であるプレストレストコンクリート(PC)造が採用されている. また,既存病院北側の横長の限られた敷地内に既存病院を運営しながら建て替えるために,病院利用者・従事者と工事関係者の動線が交わらないように部材をプレキャスト(PCa)化することで最小限の動線交錯となるように配慮されている. 本稿では既存病院を運営しながら施工されたPCaPC梁とPCaRC柱からなる新病院建物について,桁行長さが100mを超える長大架構へのプレストレスの導入や構造・施工の両面でメリットが多く得られるPC圧着レンコン梁の解説も交えながら製作・施工の概要を紹介する. 2.建築概要 2.1 建物概要 新病院は既存病院北側の約130m×35mの横長の駐車場跡地に地上4階,塔屋1階で建設され,1~2階は事務局や診察室・検査室・処置室で階高は5m,3~4階は150床の病室で階高は4.2~4.5mあり,通常の医療施設に比べると高い. 平面は梁間方向が12m×2スパンの24mで南側に下屋が配置されている.桁行方向は6m×17スパンの102mであり,3~R階梁・床は最外端から3.08mも張り出しているため,全長は108.16mにおよぶ長大な矩形平面の病院である.表-1に建物概要を示す.写真-1に新病院の外観を示す. 2.2 構造概要 新病院はPCaRC柱とPCaPC梁を組合せた純ラーメン架構による耐震構造で,床はハーフPC版による合成床版である.大地震動に対しては重要度係数I=1.50を適用して保有水平耐力計算を用いた検証が行われている.図-1~2に軸組図を示す. 表-1 建物概要 工事名称府中市民病院改築工事 建設地広島県府中市鵜飼町555番3号 発注者府中市 設計日本設計・日本設計メディカルコア府中市民病院建設設計業務JV 監理株式会社 日本設計 建築・延床面積3,667.00m2,11,083.30m2 階数地上4階,塔屋1階 建物高さ軒高18.70m,最高高さ23.05m 構造PCaPC造+PCaRC造,RC造,一部S造純ラーメン構造(X,Y方向とも) 地業・基礎置換コンクリート,直接基礎 主要用途病院 建築施工株式会社 フジタ PC施工株式会社 ピーエス三菱 全体工期2014年5月~2015年12月(建設工事)PC工期2014年11月~2015年7月 写真-1 新病院の外観(北西面) 図-2 梁間方向軸組図(X14通り)図-1 桁行方向軸組図(Y2通り)PC圧着レンコン梁PCaPCスパン梁現場打ちPCaRC柱1FL2FL3FL4FLRFL設計GL1FL2FL4FLRFL3FL設計GL6,0006,0006,0006,0006,0006,0006,0003,0806,0006,0006,0006,0006,0006,0006,0006,0003,0806,0006,000108,1605,0005,0004,2004,5005018,75012,00012,00024,0004,2004,5005,0005,00050緊張緩和区間緊張緩和区間C工区B工区A工区52

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