技報第14号
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3.PC工事概要 3.1 PC階段版の工程 PC工事の作図,製作,架設工程表を表-2に示す. 表-2 PC工事工程表 3.2 PC階段版の製作計画 PC階段版は全部材共通であり,部材長はL=11.15m,フルPCa断面のプレテンション部材である.部材数は1層10p×3層で全30pであったため,鋼製型枠を1枠準備して㈱ピー・エスコンクリート兵庫工場にて製作する計画とした. 3.3 PC階段版の搬入・架設計画 PC階段版は5.3t/pと比較的軽量であったが,学内搬入路は山腹に沿って坂道とカーブが連続しており,逆L型断面部材を荷台にしっかりと緊結して運搬する必要があったことから20tトレーラーに2pを平積みして搬入する計画とした. 架設地点は山肌を切り開いた狭あいな斜面であり,荷受け場所がないため,重機の据付けスペースと兼用の構台を設置してもらい,2~3階の階段版は60tラフタークレーンにて構台上に一旦仮置き後,鉄骨建て方に使用したタワークレーンを用いて架設することにした.3~4階,4~5階はラフタークレーン単独で施工できるが,架設範囲の上部構台を一旦撤去し,架設後に復旧する施工調整が必要になった. 施工は最下段部のスラブを打設し,強度確認後に1層あたり準備工0.5日,架設工1日で完了するが,PC階段版と取り合う最上段部のスラブ打設後に上階へ進む必要があったため,PCタクト工程は3週/層,全工程では1.5か月を想定した. 4.PC工事報告 4.1 モックアップPC部材の製作 PC階段版端部,サッシ,雨樋との相互取合いを確認するとともに止水性能を把握するためにPC階段版2pと方立て柱 写真-3 モックアップ部材の据付け状況 3本を対象としたモックアップ工事が実施された.モックアップ部材の製作では各部の断面形状と端部の複雑な配筋の組み立て確認を行うことで本設部材の製作簡便化に役立てた.写真-3にモックアップ部材の据付け状況を示す. 4.2 PC階段版の製作 本設部材はモックアップ製作時に鉄筋の組立手順を検討していたため,遅滞なく製作して材齢22~45日で出荷した. 4.3 PC階段版の施工 本設部材の架設では支承部コンクリートと方立て柱とのクリアランスが片側あたり40mmと小さく,鉄骨躯体の施工精度次第ではPC階段版が所定の位置に納まらない懸念も示唆されたが,鉄骨の建て方精度は全く支障がなく,PC階段版の施工も当初工程通りに進行した.写真-4に施工時状況を示す. 写真-4 施工時状況(2~3階PC階段版架設完了後全景) 5.まとめ 写真-5に竣工後のオープンテラス下の室内を示す.新2号館中央部の階段状のオープンテラスは,意匠要求,建築機能,構造性能が合致した結果,実現した床構造である. 竣工建物は学章にあしらわれた「サギタリウス(射手座)」から「サギタリウス館」と命名された.このことから新2号館は発注者の期待に大いに応えた建物であったと言える. 写真-5 竣工後のオープンテラス下の室内 Key Words:PC階段版,逆L型断面,フルPCa,明かり取り 寺尾守弘 小林健太 市澤勇彦 矢野力 取合詳細図作図・協議モックアップ作図 本設作図承認・・・【製作図作図】モックアップ型枠部材製作型枠製作 本設部材製作【PC階段版 製作】・・・モックアップPC架設 各部取合確認・性能試験(水張り試験等)【モックアップ工事】・・・2~3F4~5F【PC階段版架設工事】・・・【鉄骨建て方工事】・・・8月3~4F3月4月5月6月7月2014年2015年9月10月11月12月1月2月技報 第14号(2016年)55

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