技報第14号
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2.3 PCa部材概要 PCaPC細柱は,見付け幅250mmのポストテンション部材で,柱せいは一般部で900mm,メカニカルシャフト部では2,200mmと比較的重量の軽い部材である.PC合成床版は部材せい780mmのプレテンション部材で,スパン約10mの一方向シングルT板である. PCaPC細柱の設計種別は,Ⅰ種PC(フルプレストレス),PC合成床版は中央部でⅢt種(プレストレスト鉄筋コンクリート),端部支承はRC造である. 床版の端部支承条件は,R3,Y15通り側では場所打ちのRC大梁にのみ込ませて接合させており,R1,Y16a通り側では,上下階のPCaPC細柱に挟み込んでPC鋼棒により圧着接合した.R1(Y16a)通りの架構はラーメン構造とし,PC合成床版の支承部に設けたRC梁を,梁中央部で機械式継手により接合した.頂部のPCa庇版は,RC造の片持ち床版で部材相互を機械式継手により接合しており,細柱と庇版はPC鋼棒により圧着接合した.尚,PCa部材のコンクリートの設計基準強度は全て60N/mm2である. 柱部材の重量は軽いものの,部材の総数が414Pと比較的多くの量を架設した. 表-1にPCa部材および使用した鋼材の一覧を,写真-3,4に各部材を示す. 写真-3 PCa細柱 写真-4 PC合成床版 3.施工 3.1 重機計画 部材の架設作業は建物の南側と西側から行った.重機は南側の地盤が斜面になっていることから,アウトリガーによって機体を水平に保つことのできるオルタークレーン(120t)を使用した. 3.2 施工状況 柱部材は寝かせた状態で運搬車両に載せて現場に搬入するため,現場では一度仮置きをしてから建て起こしの作業を行った.柱は柱脚にセットしたライナー材でレベルを調整し,柱に取り付けた押し引きサポートにより建て入れ調整を行った.建て入れ調整時はトランシットを使い倒れを直し,隣どうしの柱のスパンを測ることで所定の精度を確保した. PC合成床版は運搬車両から直接荷取りして架設を行った.床版架設用のワイヤーはあらかじめ部材の重心位置を算出し,部材を水平に吊ることのできる長さの物を用意した.PC合成床版は両端部をRC大梁とPCaPC細柱によって支承する構造となっているが,RC大梁側は床版架設時にまだコンクリートが打設されていないため支保工で受けることになり,またPCaPC細柱側も柱と床版の間に目地を設けるため支保工で受けることとした. 写真-5に柱,写真-6に床版架設作業状況を示す. 写真-5 柱架設作業状況 写真-6 床版架設作業状況 PCaPC細柱にはPC鋼棒が2本または4本配置されている.緊張作業はPCa部材相互の目地モルタルの強度確認後に行った.グラウトは緊張作業後に柱脚側から注入し,柱頭側から流出することでシース内に充填されたことを確認した. 写真-7に緊張作業状況,写真-8にグラウトの注入作業状況を示す. 写真-7 緊張作業状況 写真-8 グラウト注入作業状況 4.まとめ 本工事は広い施工範囲の中,在来工法と並行しての作業となったが,PCa工法の特徴を活かして,計画的に部材の架設を行うことで工程通りに工事を進めることができた. R形状に並んだPCaPC細柱は高い施工精度が要求されたが,建て入れ調整を慎重に行い,精度の確認を重ねることで精度を確保し,求められた縦方向を基調としたデザインを実現することができた. Key Words:PCaPC細柱,PC合成床版,PC鋼棒 南和昭 押方友野 江口尚之 表-1 PCa部材一覧 部材種 部材数 総重量(tf) PC鋼材 PCa細柱 216 717 2-26φ(B)4-26φ(B)PC合成床板 176 1,576 6c-15.2φPCa庇板 22 91 - 技報 第14号(2016年)57

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