技報第14号
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写真-3 膜吊込み状況 3.4 エアコントロールシステム エアコントロールシステム(一定内圧を維持できるようインバーターによる自動制御)を設置し,設定内圧は1次昇圧として1000~2000Paとした.最終的にはモルタル打設時(二次昇圧)に1800~2400Paにて維持した.内圧は,コンクリート打設後,所定の圧縮強度を確認して解放した.3.5 空気膜設置工 センター架台の組立,屋根部支承材の設置を行った後に膜材の展設を行った(写真-3).工場でドーム形状に一体形成された膜材を作業半径を考慮して25tクレーンにて吊り下げ,配水池中央に設けたセンター架台から放射方向斜めに張り巡らせた展設用ロープ上を滑らせるように広げ,側壁天端部のアンカーボルトで固定をした.空気膜の取付後,エアの送風を開始し製作形状まで昇圧した.この膜材の応力緩和と形状制御を目的として格子状に補強バンドを配置・固定し,所定形状まで昇圧した(写真-4).写真-4 膜吊込み状況 3.6 モルタルシェル工 所定形状まで昇圧後,膜材とモルタルを一体化するためのアンカーピンおよびラス金網の緊結用の亜鉛メッキ鉄線を膜材表面に取り付けた.接着剤の塗布後モルタル用のラス金網,溶接金網を全面に配置してモルタルを打設した.モルタルは空気膜の変形を考慮して偏荷重とならないように打設した. 3.7 屋根コンクリート打設 モルタル硬化後,内圧を保持した状態で屋根部のコンクリートを打設した.3.8 内圧解放・完成 屋根部コンクリートの強度確認後,内圧を解放した.内圧解放後は,センター架台の搬出,内部足場の解体等の開口部を設けるため,開口設置位置の膜材を切り取り,金物で裏当てをして端部処理を行った.3.9 内面防食塗装工(配水池内部 JWWA K143) 内面防食塗装作業前に躯体の確認を行い,表面含水率が8%以下であることを確認し,サンダーで削って平滑に下地処理し,ゴムベラまたは金ゴテで下塗りし,硬化後ローラーを使用して中塗り,ピンホール等の確認を行って,ローラーを使用して均一にムラのないように塗布した.3.10 外面吹付け塗装工・屋根防水工 塗装・防水工の作業条件として降雨が予想される場合,下地が未乾燥の場合は作業をしなかった.段差等はサンダーで平坦に仕上げを行い,手摺・螺旋階段等を養生して行った.4.まとめエアドーム工法の特徴として1.防蝕対策,維持管理が不要(ドーム裏面に固着残存する膜材に塩化ビニール樹脂がコーティングされているため従来の現場施工による防蝕対策を必要としない)2.安全性の向上(型枠支保工を必要としないこと,作業床の設置や開口部からの墜落の危険性が少ない)3.労働力の削減(従来の型枠及び支保工の組立解体作業に際しては,熟練した鳶工,大工を必要としていたが,エアドーム工法ではそのような労働力の問題を改善できる)4.工期短縮(型枠,支保工の組立解体作業及び防蝕工事がないので,従来工法に比べ工期が大幅に短縮できる)5.狭い敷地での施工が容易(従来では型枠及び支保工に使用する膨大な量の資材のために,その仮置場としての広い敷地を必要とするが,エアドーム工法ではそのための敷地を必要としないので,敷地の有効利用や,より狭い敷地での施工が容易)6.環境に優しい(型枠材として合板材を使用しないのと,仮設の廃材が発生しないので省資源で,環境に優しい工法である)Key Words:狭い敷地内での施工,工期短縮 大迫文雄片山悟福澤彰 小犬丸貴重技報 第14号(2016年)61

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