技報第14号
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PCaPC工法による離島での学校建築 -粟国幼小中学校等改築工事- 大阪支店 PC建築部(九州支店駐在) 平田朗 大阪支店 PC建築部(九州支店駐在) 石井孝幸 大阪支店 PC建築部(九州支店駐在) 早野雄治 大阪支店 PC建築部(九州支店駐在) 伊藤翔 1.はじめに 本報告は,沖縄県の離島「粟国島」で小中学校校舎棟の建替え工事に採用された,プレキャスト・プレストレストコンクリート工法(以下PCaPC)の工事報告である. 建替え前の小中学校舎棟については鉄筋コンクリート造で築35年(昭和54年竣工)を経過しているが,鉄筋コンクリート造の耐用年数からすれば建て替えを迎えるにはまだ早い時期ではないかと思われる.しかし,塩害による躯体の経年劣化が進行していることや耐震強度が低いなど,比較的早い時期での今回の建替えに至った. 写真-1 粟国幼小中学校新校舎全景 2.建築概要 2.1 建築工事概要 工事名称 :粟国幼小中学校等改築工事 工事場所 :沖縄県島尻郡粟国村字東447番地 発注者名 :粟国村長 新城静喜 設計監理 :有限会社エン設計 建築施工 :株式会社大米建設 PC施工 :株式会社ピーエス三菱九州支店 用 途 :学校 構 造 :小中学校舎棟 PCaPC造(一部RC造) 幼稚園舎はRC造 規 模 :小中学校棟 地上3階建 建築面積 :1,670.20m2 延床面積 :3,438.29m2 全体工期 :平成26年11月13日~平成28年3月31日 PC工期 :平成27年2月1日~平成28年2月28日 2.2 PCa部材概要 本工事にPCaPC工法が採用された理由は次のとおりである.①離島特有の塩害に対する高耐久性を備えた高品質な躯体が要求されること.さらに,将来的な改修コストを抑えることができること.②離島では,安定的な材料,機材の調達や労務の確保が難しい.島内にある唯一の生コンプラントは,離島の基盤整備に欠かせない存在であるが,生コンの原材料調達条件を含めて出荷能力にはどうしても限界がある.島内では大型の建築工事であり安定した工程管理と少人数で工事を行うことができるPCa工法は工期面でも有利であること. 2.2.1 PCa部材一覧 本工事におけるPCa部材一覧を表-1に示す. 表-1 PCa部材一覧 部材種 部材数 総重量(tf) PC定着 PC柱 50 334 PCB 1B32・36B1 スパン梁 39 585 DW 5・11・12S15.2B 桁 梁 49 616 DW 6・9S15.2B 小 梁 23 325 DW 12S15.2B 床 版 224 492 --- 2.2.2 PCa部材製作 PCa部材の製作は,沖縄本島の2箇所のPC工場で行われた.表-2にPCa部材製作工場を示す. 表-2 PCa部材一覧 部材製作工場名 製作部材種 ㈱技建大里プレコン工場 PC柱,スパン梁,桁梁,小梁 沖縄ピーシー㈱海邦工場 床版 2.2.3 PCa部材運搬 粟国島は沖縄本島の那覇港から約60kmの位置にあり,主な交通手段はフェリーで,1日1往復,所要時間は片道2時間15分である. PCa部材の粟国島までの海上運搬には台船を用いた.台船による海上輸送時間は約8時間を要した.沖縄本島PC工場から粟国島の現場までの輸送ルートは次のとおりである. 那覇新港 粟国港沖縄本島PC工場 現場トレーラー陸送 台船海上輸送(積載能力2,000tf) トレーラー陸送荷降し150tクローラークレーン 積込み200tクローラークレーン 荷降し・架設150tクローラークレーン 62

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