技報第14号
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格納庫大扉の嵩上げ工事設計・施工報告 東京建築支店 リニューアル部 山村秀男 東京建築支店 リニューアル部 加藤正訓 1.はじめに 本工事は,海上自衛隊厚木航空基地内の格納庫で既存大扉を撤去し,新たに高さを+2.0mとなる大扉を設置する嵩上げ工事である.格納物の変更に伴い有効高さが不足するために行われる工事であり,同種の工事としては国内で最初の工事となった.嵩上げに伴う構造検討を含めた設計施工について報告する. 2.建築概要 工事名称 :厚木(26)格納庫改修建築その他工事 発注者名 :南関東防衛局 所 在 地 :神奈川県綾瀬市無番地 用 途 :格納庫 構造規模 :鉄骨造 1階 一部鉄筋コンクリート造2階 設 計 :株式会社ピーエス三菱 東京建築支店 監 理 :泉創建エンジニアリング株式会社 工 期 :平成26年10月16日~平成28年3月31日 大扉仕様 :枠,H形鋼 壁,木毛セメント板ア20下地 角波カラー鉄板ア0.4 扉枚数12枚 重量5.3t/枚 3.設計方針 本改修は表妻開口嵩上げであり,タイバー付アーチラーメンのタイバー高さの変更(+2.0m)による構造検討を行った. 本建物は約20年前に他社にて設計・施工された建物であり,改修設計は,元設計の荷重条件と設計方針に従って行った. 耐震設計ルートは,保有水平耐力が構造特性係数Ds=0.4としての必要水平耐力以上になるよう,規定地震力(Co=0.2)による応力の2倍(Co=0.4) にて,トラス梁及び柱を許容応力度設計で部材の安全性を確認した. 4.施工計画 4.1 計画上の課題 施工計画において,以下の問題点が生じた. ①鉄骨撤去に関わる部分の仕上材の解体撤去が必要. 特に屋根面は母屋の撤去が必要な部分もあるので,屋根材(瓦棒1枚葺き)撤去範囲の検討が必要となった. ②既存大扉を撤去するにあたり,風圧力に対する検討が必要.風圧力に対し,格納庫内部に仮設壁設置が必要となった. ③外部足場が部分的にしか設置することができない. 仮設工事ついて十分検討する必要が生じた. 外部足場の代わりに高所作業車による作業を中心とした. 4.2 ジャッキアップ,ジャッキダウン計画 元設計の構造計算書より荷重条件,表妻面変位量を解析した後,改修後における荷重条件で変位量を解析した結果,最大で約80mmの変位が想定された. 開口高さ要求値を満足するため,分析結果に建方キャンバー値10mmを加えた値をジャッキアップ量として計画した. 図-2にサポート支柱の配置及び各支持点におけるジャッキアップ量を記したジャッキアップ計画図を示す. また,ジャッキダウン時は固定荷重時の85.2%の荷重と考え計画を行った.図-3にジャッキダウン計画図を示す. ジャッキアップおよびジャッキダウン共に6ステップに分けて行う計画とした. 図-1 改修妻面軸組図 図-2 ジャッキアップ計画図 Y7 Y6 Y5 Y4 Y7 Y6 Y5 Y4 68

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