ピーエス三菱の橋守プロジェクト

橋守プロジェクトとは?

『橋守プロジェクト 海外進出!?』

2018年3月12日、独立行政法人国際協力機構(JICA)の「橋梁維持管理研修」の一環として、「ピーエス三菱の橋守プロジェクト」を紹介する機会を与えていただきました。JICA「橋梁維持管理研修」での橋守PJ紹介は、昨年に引き続き2年目です。JICA「橋梁維持管理研修」は、日本の道路・橋梁維持修繕管理体制と実態の講義(国土交通省)や実際の劣化構造物見学(土木研究所・CAESAR)、点検・診断・補修・補強に関する概論~演習(各大学)、橋梁現場見学(首都高、NEXCO)など、約3週間に亘る内容盛りだくさんの研修です。受講対象者は、アジア、アフリカ、南米等22カ国の国家公務員を中心とした22名、いずれも今後は各国のインフラ政策の中核を担い活躍が期待される橋梁技術者です。そのような高尚な研修の丸一日を、当社が担当いたしました。午前中は講義形式により①施工者による点検・診断の取組み紹介(ピーエス三菱の橋守PJ)と②コンクリート構造物の補修補強技術の紹介(メンテナンス技術グループ)、午後は当社が施工している実際の補修補強現場の視察、を実施しました。橋守PJの活動内容や点検・診断時の考え方等の紹介を通じて世界の橋梁長寿命化に微力ながら貢献できることに、同じ橋梁技術者としてこの上ない喜びを感じています。

 

講義では、当社が橋守PJを開始した経緯、活動を通じて散見された変状や傾向分析結果の報告、施工者目線の原因推定や点検・診断におけるポイント等を説明しました。質疑応答では、各国が直面する財政面や技術面からの課題を背景とした質問も寄せられるなど、非常に興味を持って受講していただけたと感じています。

 

橋守PJの講義における質疑応答内容の一部を以下にご紹介します。

 

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Q1:日本の補修補強技術は大変レベルが高いものの、価格も高い。資金や技術力が十分ではない国では、深刻な変状に対してどのような対処をすればよいか?

 

A1:日本においても劣化橋梁数が加速度的に増加しており、資金や技術力が追いつかないケースは多く見られる。そのような場合、通行制限(車線制限や荷重制限)を設けて供用を継続するという選択が採られることもある。新設橋の段階から、より劣化しにくい形状(シンプルな構造)を意識することも重要と思われる。

 
  橋守PJ講義の様子

 

Q2:例えば主桁に発生するひび割れが深刻なひび割れか否かをどのように見分けるのか?

 

A2:ひび割れが発生している部位や形状(方向)から、ひび割れの発生原因や耐荷性能への影響を推察し、深刻度を判断する。構造物に与える影響が大きいひび割れの発生位置や形状(ひび割れパターン)については、ガイドライン※が発信されており参考になる。(※国土交通省道路局「橋梁定期点検要領」H26.6)

 

Q3:(古いプレテンT桁に散見される)張出床版下面の横締PC支圧板露出は、かぶりが確保されれば発生しないと考えられるか?

 

A3:比較的新しい基準で製作されたプレテンT桁には、橋守PJの調査において本件のような変状は確認されていないことから、現行の基準に準拠すれば発生しにくいと考えられる。例えば厳しい環境である塩害の影響地域では、標準よりもかぶりを多く確保すること、内部鋼材や支圧板自体を塗装により防錆すること、コンクリート表面を塗装することが規定されている。その他に、現場での工夫の一つとして、橋面水が地覆と床版の打継目を通じて浸水するのを防止するため、床版と地覆内に水切りプレートを埋設し、物理的に水みちを遮断している事例もある。

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コンクリート構造物の補修補強技術の紹介の講義では、ひび割れ注入工法や表面被覆工法等の基本技術に対する質問に加え、当社の最新技術「イージーMモニター」(モバイルモニター)に対する質問も多く寄せられるなど、関心の高さを感じることができました。

 

午後は、供用開始から50年以上を経過したPC箱桁ゲルバー橋のゲルバー改良工事現場を視察いただき、講義以上に活発な質問・関心が寄せられました。百聞は一見にしかず、橋守PJで確認した変状事例も、写真になってしまうと「よく見るただの変状写真」になってしまいますが、実際に目の当たりにしたときのインパクトはかなり大きなものです。そういった橋梁の現状を、より多くの社内外の橋梁技術者に伝えていく必要があると感じました。

 

(2018年3月13日 記:藤田)

 
 

現場視察の様子



橋守プロジェクトについてのご相談・お問い合わせ 技術本部(担当窓口:藤田) 03-6385-8050

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