七崎高架橋(PC上部工)工事

現場写真

高圧線下の作業は
3Dシミュレーションで安全確認

今回の工事で最も西に位置するのが、岐阜県本巣市と瑞穂市の境にある七崎高架橋です。この現場は4現場の中で一番発注が遅かったにも関わらず、発注者への引き渡しが一番早い現場です。そのため工期がかなり短く、工期短縮をどう図るかが最初の課題でした。
「そこで第1橋と第3橋を同時に施工するという方法を採用し、PC桁架設のための大型クレーンを4台確保して作業を進めました。短期間に多くのPC桁が必要になるため、PSC滋賀、兵庫、水島、茨城の4工場から供給してもらえるようにすり合わせをするなど、万全の準備を施すことで短工期という課題をクリアしました」と工期短縮の方法について語るのは柳田将貴所長です。さらに同現場では2つの難所がありました。まず1つ目が第3橋の上空を横切る77,000Vの高圧線です。高圧線との安全隔間距離は4mと定められていますが、さらなる安全確保のために高圧線を管理している中部電力パワーグリッドから追加で2mの距離を取ってほしいという要望があり、6m以内での作業ができないという制限がありました。
「安全確保とスムーズな作業のためにCIMによる3Dモデルを活用しました。事前に現場を測量して3Dデータとして読み込んでクレーンの選定や作業方法を検討。その結果450tのクレーンを採用し、離間距離内までブームが伸びないようにロック設定をするなどの安全対策を施しました。また、シミュレーション通りに作業ができるのか、事前にクレーンを設置して予行演習を行うなど入念な準備をして臨みました」と説明するのは、実際に3Dシミュレーションを担当した小川剛副所長です。
そして2つ目の難所は市道上での架設です。この市道は瑞穂市と本巣市の市境を走り、路線バスの運行ルートになっていることから通行止め期間が限られている上に、工事日をずらすことができません。4日間の予定を取って朝の9 ~ 17時を通行止めにして市道へ1日1本ずつ主桁引き出し、450tのクレーンを2台設置して架設作業を行いました。こうした事前の準備を整えて対応することで、短い工期にも関わらず順調に工事が進められています。

セグメント組立状況
PC板架設完了
横組コンクリート打設状況
床版コンクリート打設

明るく元気に声を掛け合って
チームワークを育む現場

七崎高架橋では、3橋の工事を同時進行で進めるために全国(沖縄、佐賀、富山、愛知、千葉、岩手)から職員が集結しています。当然、初めて会う人も多く、いかにしてチームワークを育んでいくのかという点も現場づくりの大切な要素です。
「柳田所長を筆頭に上司・先輩方が頻繁に声をかけてくださるのでとても働きやすいです。ヘルメットに出身地を入れることでコミュニケーションのきっかけが生まれる工夫をしていたり、普段から会話も多く相談しやすい空気が醸成されており、手戻りのなく工事を進めることができています。また、大きな現場ですが若手職員にも責任ある仕事を任せてくれるので成長しやすい環境という点も嬉しいです」と説明するのは、2017年入社の鈴木光さんです。鈴木さんは現場の責任者として5名の後輩に指示やアドバイスを送りながら活躍しています。
また、コンポ橋のためクレーンを使う作業が多いのも七崎高架橋の工事の特徴です。そのため、3・3・3運動の実施や声掛け、カラーコーンの設置など基本を忠実に行うことで、旋回区域の立ち入り禁止の徹底を行っています。さらに同現場では、トレーラーで搬入したPC桁をクレーンにて接合架台に荷卸しする際、足場を組んで独自の「親綱設置装置」を製作し、スムーズな作業と安全管理の徹底を実践しています。
このように創意工夫をしながら、予定通り順調に工事を進め、全員が一体となったチームワークを発揮しながら2024年5月の引き渡しを目指していました。

工事名称 東海環状自動車道 七崎高架橋
(PC上部工)工事
工事場所 岐阜県本巣市政田~瑞穂市七崎
発注者 中日本高速道路㈱
名古屋支社 岐阜工事事務所
橋梁型式 PC6径間連結コンポ桁橋
(セグメント工法)3橋
橋長 608.0m
実施工期 2022年6月23日~2024年8月10日
後列左より 
小原さん、齊藤さん、大橋さん、柳田所長、小川副所長、原さん
前列左より 
佐々木さん、野澤さん、鈴木さん、池間さん、上代さん
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